葛篭(読み)つづら

精選版 日本国語大辞典 「葛篭」の意味・読み・例文・類語

つづら【葛・黒葛・葛籠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 葛・黒葛 ) ツヅラフジなど、じょうぶなつる性の植物をいう。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「やつめさす 出雲建が 佩ける太刀 都豆良(ツヅラ)多巻(さはま)き さ身なしにあはれ」(出典:古事記(712)中・歌謡)
  3. ( 葛籠 ) 衣服などを入れるツヅラフジで編んだかぶせ蓋の箱。普及するとともに竹網代(たけあじろ)で代用し、ときに柿渋(かきしぶ)・漆などを塗って用いた。金紋・蒔絵のものもあり婚礼用具の一つとされた。つづらこ。〔撮壌集(1454)〕
    1. 葛籠<b>②</b>〈狂言好野暮大名〉
      葛籠〈狂言好野暮大名〉
    2. [初出の実例]「合巻とやら申(もうす)草双帋(くさざうし)が出るたびに買ますが、葛籠(ツヅラ)にしっかり溜りました」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  4. つづらおり(葛折)」の略。
    1. [初出の実例]「南里郷者、つつらを山口より可責入之由下知」(出典:経覚私要鈔‐文安四年(1447)九月一四日)
  5. (かさね)の色目の一つ。狩衣類では表は青黒色で裏は淡青色。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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