董狐の筆(読み)トウコノフデ

デジタル大辞泉 「董狐の筆」の意味・読み・例文・類語

とうこ‐の‐ふで【××狐の筆】

《「春秋左伝」宣公二年の故事から》権勢を恐れずに真実を発表すること。

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精選版 日本国語大辞典 「董狐の筆」の意味・読み・例文・類語

とうこ【董狐】 の 筆(ふで)

(「春秋左伝‐宣公二年」の故事から) 権勢を恐れずに真実を発表すること。歴史を直筆して真実を表わすこと。

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故事成語を知る辞典 「董狐の筆」の解説

董狐の筆

権勢を恐れず、真実を書くこと。

[使用例] 失意の人々の中には董狐の筆を振ってるいせつはずかしめに会うものもあり[永井荷風西瓜|1937]

[由来] 「春秋左氏伝―宣公二年」に載っているエピソードから。紀元前七世紀の終わり、春秋時代の中国でのこと。しんという国の貴族ちょうとんは、君主の霊公と対立し、危うく殺されそうになりました。そこで、国外へ脱出しようと国境まで来たところ、霊公がちょう穿せんという家臣に殺されたことを知ります。急いで引き返した趙遁でしたが、趙穿を討とうとはしませんでした。このとき、晋の国の記録係だった董狐は、趙遁が霊公の行動をきちんと正すことができず、また趙穿を討とうともしなかったことを批判して、公式な記録に「趙遁がその君主を殺した」と書き記しました。そのことについて、孔子は、「董狐はすぐれた記録係だ」と評価しています。

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