葦浦屯倉(読み)あしうらのみやけ

日本歴史地名大系 「葦浦屯倉」の解説

葦浦屯倉
あしうらのみやけ

安閑天皇の時代に全国的に設置されたとされる屯倉の一つで、「日本書紀」安閑天皇二年五月九日条に近江国の葦浦屯倉とみえる。同年八月および九月条によって全国的に屯倉が設置されたことが知られる。安閑朝における屯倉設置記事については、「継体・欽明朝の内乱」の、戦後処置とみて、史実とする見解が有力であったが、近年は必ずしも安閑朝に一括設置されたのではなく、安閑朝から推古朝頃までの長い期間に、各地の豪族から献上された屯倉を、一括してこの記事にまとめて収載したとする説が有力で、葦浦屯倉も六世紀代近江の豪族から大和政権に献上されたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android