蒋毛重慶会談(読み)しょうもうじゅうけいかいだん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蒋毛重慶会談」の意味・わかりやすい解説

蒋毛重慶会談
しょうもうじゅうけいかいだん

1945年8月 28日から,第2次世界大戦終了後の中国政局の収拾と国共関係の調整とを目的として,アメリカの P.J.ハーレー大使の仲介のもとに重慶で行われた蒋介石と毛沢東との会談。毛沢東は蒋介石からの要請に応じて周恩来,王若飛とともに重慶を訪れ,国民政府側からは蒋のほかに王世杰,張群,張治中,邵力子が出席して交渉が開始され,10月 10日国共会談紀要 (双十節会談紀要または双十協定とも呼ばれる) が発表された。その内容は,(1) 内戦を避け,和平建国に努める,(2) 政治の民主化のため政治協商会議を招集する,(3) 国民大会の問題,(4) 人民に身体,信仰,言論,出版,集会,結社の自由を保障する,(5) すべての党派平等,合法的地位を承認する,(6) 特務機関による人民の拘留尋問処罰を厳禁する,(7) 政治犯釈放の問題,(8) 地方自治を推進し,普通選挙を実施する,(9) 軍隊国有化の具体的計画を決定するため三人委員会を組織する,(10) 解放区における地方政府の問題,(11) 漢奸傀儡 (かいらい) 軍の処理問題,(12) 降伏の受入れ問題の 12項目に及んだ。これらの内容は実行に移されず,国民党はこの紀要を破棄した。

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