蒲公英(読み)タンポポ

デジタル大辞泉 「蒲公英」の意味・読み・例文・類語

たんぽぽ【蒲英】

キク科タンポポ属の多年草総称野原道端に生え、根際から羽状に深く裂けた葉を放射状に出す。3、4月ごろ、花茎を伸ばし、頂に黄色または白色舌状花のみからなる頭状花を開く。種子上部に白い毛をつけて風に飛ぶ。葉を食用とし、根などを漢方で催乳に用いる。日本ではカントウタンポポカンサイタンポポエゾタンポポシロバナタンポポなどが自生し、セイヨウタンポポアカミタンポポなどが帰化している。蒲公英ほこうえい 春》「―のかたさや海の日も一輪草田男

ほこうえい【×蒲公英】

タンポポ漢名。漢方で全草を健胃解熱浄血・催乳薬などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「蒲公英」の意味・読み・例文・類語

たんぽぽ【蒲公英】

〘名〙
① キク科の多年草。世界の温帯亜寒帯に広く分布し、日当たりの良い山野、路傍に生える。高さ一五~三〇センチメートル。葉は根ぎわに放射状に群がって生え、長楕円状へら形で縁は不規則な羽状にせん裂する。春、次々と花茎を出し、先端にすべて舌状花からなる径約三センチメートルの黄色、または白色の頭花を頂生する。果実には白い冠毛がかさ形につき風にのってとび散る。若葉は食べられる。漢方では開花前にとって乾燥した葉を蒲公英(ほこうえい)といい、解熱・健胃薬などに用いる。日本にはエゾタンポポ、カントウタンポポ、カンサイタンポポなど約二〇種が自生し、セイヨウタンポポが帰化している。漢名、蒲公英。ふじな。たな。ぐじな。むじな。《季・春》 〔文明本節用集(室町中)〕
② おもちゃの一つ。鼓の小さいもの。
※虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初)「いや是にはこま道具〈略〉たんほほ、ふりつづみ、さまざまの物が有」

ほこうえい【蒲公英】

〘名〙 植物たんぽぽ(蒲公英)」の漢名。また、その若葉を乾燥させたもの。解熱・健胃薬として用いる。〔薬品手引草(1778)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蒲公英」の解説

蒲公英 (タンポポ)

学名Taraxacum spp
植物。キク科の多年草,園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の蒲公英の言及

【タンポポ】より

…乳液からはゴムがとれ,とくにゴムタンポポ(コクサギス)T.koksaghz Rodinは,第2次大戦中にソ連のクリミア地方,グルジア地方やカナダで大規模に栽培された。日本ではタンポポの園芸品種が栽培されたことがあり,江戸時代末期には《蒲公英銘鑑(たんぽぽめいかん)》が出版されている。タンポポの語源には諸説があるが,頭花を鼓にみなし,その音を擬した幼児語とする柳田国男説が有力である。…

※「蒲公英」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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