蒲生別宮(読み)がもうべつぐう

日本歴史地名大系 「蒲生別宮」の解説

蒲生別宮
がもうべつぐう

山城石清水いわしみず八幡宮の別宮とそれに付属する所領。所領は蒲生川上流域一帯に所在したとみられる。保元三年(一一五八)一二月三日の官宣旨(石清水文書)に宮寺領としてみえる因幡国巨野この別宮にあたると推定され、別宮領の一部はのちに分離して宇治うじ庄となったと考えられる。文治四年(一一八八)後白河法皇の命により始められた長日供花の料所として因幡国蒲生別宮の名がみえ(「石清水八幡宮記録」「石清水八幡宮末社記」など)、建仁四年(一二〇四)八幡別宮の因幡国蒲生宮に濫行をなす者があった(「猪隈関白記」同年四月一四日条)。室町時代には宇治庄と合せて宇治蒲生庄とよばれるようになり、文明一二年(一四八〇)一一月一九日の室町幕府奉行人連署奉書(石清水文書)によれば、庄内の蒲生真清庶子の割分地である土師但馬守跡鳥越とりごえ名・久元ひさもと名散在地と横尾式部大夫跡横尾よこお名・秋重あきしげ名が、土師・横尾両人が没落したため元のごとく社領として蒲生真清に返付され、幕府はその旨を石清水八幡宮別当善法寺雑掌に告げた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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