蔓植物(読み)ツルショクブツ

デジタル大辞泉 「蔓植物」の意味・読み・例文・類語

つる‐しょくぶつ【×蔓植物】

茎が蔓となっている植物総称。他の物に巻きつくアサガオ地面をはうサツマイモや、巻きひげで絡みつくブドウ吸盤をもってよじ登るツタなど。フジなど木本のものを藤本とうほんともいう。蔓性植物。

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精選版 日本国語大辞典 「蔓植物」の意味・読み・例文・類語

つる‐しょくぶつ【蔓植物】

〘名〙 つる状の茎を有し、地面をはうか、または他物に巻きついたり、付着したりしながら生長する植物。一般に茎は細長く、機械的組織の発達が悪いため柔弱で、独立では直立できない。特に熱帯降雨林に多く見られる。茎自身が他物に巻きつくアサガオ、フジ、巻きひげで付着するウリ、ブドウ、地表をはうジシバリハマヒルガオ、茎から気根を出して付着するキヅタ、ツタなどがある。蔓性植物。藤本(とうほん)

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改訂新版 世界大百科事典 「蔓植物」の意味・わかりやすい解説

蔓植物 (つるしょくぶつ)
liane
liana

一般用語としてはvine。通常の植物のように直立できず,他物によりかかって生育する植物。一般に茎の伸長が速く,節間が長い。葉は大きく,茎は細いがしなやかで折れにくい。茎をつくるための材料を少なくして,しかも日光のよくあたる群落の上層部に達することができるという利点をもっている。この習性は高木の密生する熱帯降雨林で特によく発達し,多種多様なつる植物が特異な景観を呈する。日本でも多くのつる植物が生育しているが,特に林縁を覆う群落を構成するものが多い(スイカズラ,ノブドウ,クズ,アケビ)。他物への付着の方法は,茎自身が巻きつくもの(フジ,ヤマノイモ),葉柄が巻きつくもの(センニンソウ,ヒヨドリジョウゴ),巻きひげによるもの(カラスウリヤブガラシ),逆刺によるもの(カナムグライシミカワ),付着根によるもの(ツタ,キヅタ)などさまざまである。
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