蔵本番(読み)くらもとばん

日本歴史地名大系 「蔵本番」の解説

蔵本番
くらもとばん

[現在地名]博多区奈良屋町ならやまち綱場町つなばまち

西町下の北にあり、南北に延びる西町筋の両側町。東は市小路町上いちしようじまちかみ、西はぎようノ町、北は奈良屋番ならやばん(福岡博多近隣古図)。元禄三年(一六九〇)の家数四四(続風土記)。明和三年(一七六六)の家数四五・間数一二二間余。ほかに妙音みようおん寺一七間・報光ほうこう寺一八間余(石城志)。慶応二年(一八六六)の家数六九(博多店運上帳)町名はかつて蔵本(津中の収納の蔵)があったことに由来する。蔵は釜屋番下かまやばんしもの門際に移されたという(石城志)。西町・蔵本番・奈良屋番宗湛そうたん町とよんだともいうが(続風土記拾遺)、「宗端町蔵本番」(文政六年書写「博多古図」福岡市総合図書館蔵)・「蔵本番西町」(筑陽記)用例がある。

延宝六年(一六七八)の改によると当町の源内が乾風呂(からぶろ。蒸風呂)一軒を経営。享保七年(一七二二)の改では源内が有した乾風呂座は質物として呉服町上ごふくまちかみの木村養玄に取置かれ、営業を休止している。享保元年には長谷屋千太郎が酒造業を営んでいた(津要録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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