蔵町(読み)クラマチ

デジタル大辞泉 「蔵町」の意味・読み・例文・類語

くら‐まち【蔵町/倉町】

蔵が建ち並んでいる一区画。
「―に御倉いと多かり」〈宇津保・俊蔭〉

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精選版 日本国語大辞典 「蔵町」の意味・読み・例文・類語

くら‐まち【蔵町・倉町】

  1. 〘 名詞 〙 倉庫を多く建て連ねた一郭
    1. [初出の実例]「この殿は、〈略〉くらまちに御倉いと多かり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

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日本歴史地名大系 「蔵町」の解説

蔵町
くらまち

[現在地名]松前郡松前町字福山ふくやま

近世から明治三三年(一九〇〇)まで存続した町。近世は松前城下の一町。大松前おおまつまえ川に沿う二本の南北道のうち東側の道に沿った町。南はふくろ町、西は中川原なかかわら町。シャクシャインの戦に関連して「津軽一統志」に「蔵町」とみえるが、町の成立はこれより古いと考えられ、宝暦一一年(一七六一)の「御巡見使応答申合書」に皇太神宮(神明社)を承応元年(一六五二)に「蔵町ヨリ今ノ所ヘ遷宮」とある。また寛永二一年(一六四四)三月当町より出火して海岸部に至る大火になったとされる。なお元禄三年(一六九〇)にも出火して一四〇戸が被災、寛延二年(一七四九)には一七八戸が被災する火事を出している(和田本「福山秘府」など)


蔵町
くらまち

[現在地名]津市大門だいもん

観音寺門前である観音辻より東へ入った町人町町名について「草蔭冊子」に「富田氏在城之頃米廩アリシヲ以テ此名アリシト云フ」とあるが、米蔵に関する他の傍証はない。寛永元年(一六二四)の津町二二町のなかに蔵町の名がある。元禄一一年(一六九八)の津町人分限帳(津市史)に三谷勘左衛門の名があり、勘左衛門の名は代々襲名され、米問屋として藩の御蔵米売買に関与した。

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