薊之内遺跡(読み)あざみのうちいせき

日本歴史地名大系 「薊之内遺跡」の解説

薊之内遺跡
あざみのうちいせき

[現在地名]長沼町桙衝

江花えばな川と釈迦堂しやかどう川に挟まれた丘陵中の南斜面に立地する。昭和五三年(一九七八)に発掘調査が行われ、竪穴住居跡一六棟・掘立柱建物跡三〇棟、土師器焼成の平窯と思われる遺構二基、井戸跡三基が検出され、縄文土器片・弥生土器片、土師器(坏・高坏・壺・甕・甑・碗)須恵器・鉄鏃・鉄滓などが出土した。主たる住居跡の時期は七世紀後半―九世紀後半にかけてである。多数の掘立柱建物の検出から単なる一般集落というより郷の中心的集落の可能性が考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報