薩埵(読み)サッタ

デジタル大辞泉 「薩埵」の意味・読み・例文・類語

さった【××埵】

《〈梵〉sattva音写。「有情」の意》
仏語衆生しゅじょう
菩提ぼだい薩埵」の略。菩薩ぼさつ

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精選版 日本国語大辞典 「薩埵」の意味・読み・例文・類語

さった【薩埵】

[1] 〘名〙 (sattva の音訳。有情(うじょう)衆生、勇猛、生命のあるものの意) 仏語。
① 生命あるもの。衆生。〔大智度論‐四五〕
② (「ぼだいさった(菩提薩埵)」の略) 菩薩(ぼさつ)
※本朝文粋(1060頃)一四・為謙徳公報恩修善願文〈菅原文時〉「如来薩埵。知見証明」
[2]
[一] (「こんごうさった(金剛薩埵)」の略) 真言密教付法八祖の第二。大日如来の教えを鉄塔に納め、のち龍樹に授けたといわれる。
平家(13C前)一〇「われ昔薩埵にあひて、まのあたりことごとく印明をつたふ」
[二] 薩埵王子のこと。釈迦前身と伝えられる、飢えた虎に身を投げて死んだ王子。
三教指帰(797頃)下「薩埵脱衣、長為虎食」 〔法苑珠林‐八〇〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「薩埵」の意味・わかりやすい解説

薩埵
さった

(1) サンスクリット語 sattvaの音写。有情 (うじょう) ,衆生と訳す。およそ生命あるもののすべての称である。 (2) サンスクリット語 bodhisattva菩提薩 埵の略。菩薩 (求道者) のこと。

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