薩摩隼人(読み)サツマハヤト

デジタル大辞泉 「薩摩隼人」の意味・読み・例文・類語

さつま‐はやと【×薩摩×人】

上代薩摩に住んでいた隼人一族が、勇ましくすばしこいことで知られたところから》薩摩出身の武士。また、一般に鹿児島県出身の男性

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精選版 日本国語大辞典 「薩摩隼人」の意味・読み・例文・類語

さつま‐はやと【薩摩隼人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 上代、薩摩地方に住んで勇猛、敏捷で知られた隼人一族に擬して ) 薩摩国の武士をいう。また、近代では、一般に鹿児島県出身の若者にいう場合もある。
    1. [初出の実例]「数百名の薩摩隼人(サツマハヤト)を引率する島津久光を」(出典夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)

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世界大百科事典(旧版)内の薩摩隼人の言及

【薩摩国】より

…《日本書紀》白雉4年(653)7月条に〈薩麻之曲竹島之間〉とみえ,《続日本紀》大宝2年(702)8月条に薩摩・多褹(たね)を征討し,戸を校(かんが)え吏を置く,10月条に唱更(はやひと)国司の言上で国内の要害に柵を建て兵を置くとあり,その説明に唱更国とは今の薩摩国府なりとあることから,このころ薩摩国は日向国より分出設置されたと思われる。和銅2年(709)6月条に薩摩・多褹両国司とみえ,10月条に薩摩隼人郡司已下188人入朝とある。薩摩半島南部吾田(あた)の地名は薩摩以前の総称にも用いられ,住人は阿多隼人(はやと)と呼ばれたが,後には薩摩隼人,甑隼人の称が頻出し,朝廷への上番の制も整えられた。…

【隼人】より

…そのほか,古語に猛勇を〈はやし〉ということより起こるという説(本居宣長),《新唐書》倭国伝にみえる〈波邪(はや)〉の地名によるという説(喜田貞吉),暴風や8月の風を〈はやち〉と称することから,かかる疾風が夏季におそう地域を〈はや〉の地域といったという説(松岡静雄),などがある。 これらの隼人は,日向隼人,大隅隼人,薩摩隼人,甑(こしき)隼人などとそれぞれ地名を冠して呼ばれるが,彼らは地域的に割拠分散し互いに部族集団を結成して対立し,統一的な政治権力を作り上げていなかった。そのことが律令制下でもしばしば反乱を起こしながら鎮圧され,遂には大和政権の統治を許す最大の原因ともなった。…

※「薩摩隼人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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