朝日日本歴史人物事典 「藤井清水」の解説
藤井清水
生年:明治22.2.17(1889)
明治から昭和にかけての作曲家,民謡研究家。広島県呉市生まれ。大正5(1916)年東京音楽学校(東京芸大音楽学部)甲種師範科卒業。小倉高等女学校教諭,大阪市立市民館嘱託,武蔵野女子学院講師を務める。日本の音楽,特に民謡の収集,五線譜記録や研究を通して,民族性を基調とした独自の作風を創りあげた。歌曲,民謡など声楽曲に優れた作品を多数残しており,山田耕筰にも高く評価されている。町田嘉章(佳声)に協力して,NHKの『日本民謡大観』(1944~93)の関東,東北各篇の採譜を担当。作品に「佐渡が島」「河原柳」「おかよ」「犬山音頭」「信田の藪」など。<参考文献>呉市昭和地区郷土史研究会編『作曲家藤井清水(増訂版)』,金田一春彦編『藤井清水歌曲集』
(大貫紀子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報