藤八五文薬(読み)トウハチゴモングスリ

デジタル大辞泉 「藤八五文薬」の意味・読み・例文・類語

とうはち‐ごもんぐすり【藤八五文薬】

文化・文政(1804~1830)のころ江戸ではやった行商薬売り。また、その薬。二人一組で歩き、一人が「藤八」と呼ぶと、他の一人が「五文」と応じて、ともに「奇妙」と合唱した。長崎の綿屋藤八が始めた薬で、1粒5文であったことからの名。藤八薬。藤八五文

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「藤八五文薬」の意味・読み・例文・類語

とうはち‐ごもんぐすり【藤八五文薬】

〘名〙 長崎の綿屋藤八を本家とする一粒五文の薬。万病に効くといわれた。文化・文政(一八〇四‐三〇)頃、江戸で薬箱を背負い、一人が「藤八」と呼ぶと、他の一人が「五文」と応じ、両人がともに「奇妙」と合唱して売り歩いた。文政八年(一八二五中村座で、五代目松本幸四郎がその行商人に扮して評判となった。藤八。藤八薬。藤八五文。
狂歌・近世商賈尽狂歌合(1852)「藤八五文薬 文化の末より初り」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android