藤圭子(読み)ふじけいこ

百科事典マイペディア 「藤圭子」の意味・わかりやすい解説

藤圭子【ふじけいこ】

歌謡曲歌手本名阿部淳子。岩手県一関市に生まれ,北海道旭川市で育つ。父は浪曲師,母は三味線瞽女の芸能一家で,旅回りの生活を送った。1969年RCAレコードから《新宿女》(石坂まさを作詞みずの稔作曲)でデビュー,80万枚を超えるヒットとなった。以後《女のブルース》(石坂まさお作詞・猪俣公章作曲),《圭子の夢は夜ひらく》(石坂まさを作詞・曽根幸明作曲),《命預けます》(石坂まさお作詞・作曲)が1970年に連続して売り出された。いずれもハスキーヴォイスと虚無的な美貌とが,大学紛争,1970年安保闘争で騒然とする世相のなか若者を中心に受け入れられ一世を風靡(ふうび)するスターとなった。1979年引退。音楽プロデューサ宇多田照實との間に生まれた娘・宇多田ヒカルが,1998年シンガーソングライターとしてデビュー,1999年に最初のアルバム《First Love》が爆発的な大ヒットとなり,母親の藤にも再び注目が集まった。2013年8月東京都新宿区のマンションの前で倒れているのが発見され,搬送先の病院で死亡が確認された。自殺と見られる。

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知恵蔵mini 「藤圭子」の解説

藤圭子

日本の演歌歌手。1951年7月5日岩手県出身。本名は阿部純子。幼い頃から浪曲師の父親と曲師の母親とともに門付の旅回りを経験。作詞家・作曲家である石坂まさをによって見出され、69年「新宿の女」でデビュー。70年、「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットし、第1回日本歌謡大賞、第12回日本レコード大賞大衆賞をそれぞれ受賞。第21回NHK紅白歌合戦』に初出場。同年発売のアルバム「新宿の女」と「女のブルース」がオリコンチャートで合計37週連続1位を獲得するなどの大ヒットを記録した。シンガーソングライターの宇多田ヒカルは実の娘である。2013年8月22日、同氏が東京・西新宿の高層マンションから転落死。警視庁新宿署は飛び降り自殺を図ったとみて調べている。

(2013-8-26)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤圭子」の解説

藤圭子 ふじ-けいこ

1951-2013 昭和後期-平成時代の歌手。
昭和26年7月5日生まれ。宇多田ヒカルの母。浪曲師の父,曲師の母とともに旅回りしてうたう。昭和44年「新宿の女」でレコードデビュー。翌年「圭子の夢は夜ひらく」で日本歌謡大賞,日本レコード大賞大衆賞を受賞。54年引退,56年カムバックした。元夫に前川清,前夫は宇多田照實。平成25年8月22日死去。62歳。岩手県出身。本名は阿部純子。

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