蚕養神社(読み)こかいじんじや

日本歴史地名大系 「蚕養神社」の解説

蚕養神社
こかいじんじや

[現在地名]日立市川尻町 二林

小貝こかい浜の南の海食崖上にある。祭神は稚産霊命・宇気母智命・事代主命。旧村社。創立年代は不明だが、明治三四年(一九〇一)に現社号に改める前は於岐津説おきつせ神社といい、「水藩神明録」に創立は永正一〇年(一五一三)とされる。大正八年(一九一九)に現祭神に改められたが、神社名の改称が先行しているところから、祭神も農耕養蚕に関係の深い神であったと思われる。

養蚕の神として信仰を集めてきたが、漂着神伝説を伴い、少彦名命がこの地に上陸して養蚕の術を教えたとも、流木に乗った蚕が一匹蚕飼こかい(小貝浜)に流れつき日本の養蚕の始まりとなったともいわれ、さらに長久保赤水著「常北遺聞抄」には「天竺伯中国ノ霖夷大金ノ女金色姫ウツボ舟ニ乗リ流レ来リ死テ蚕ト成」とも記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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