家庭医学館 「蜂巣炎(蜂窩織炎)」の解説
ほうそうえんほうかしきえん【蜂巣炎(蜂窩織炎) Cellulitis】
皮膚の深い層から皮下脂肪(ひかしぼう)組織にかけて、急速に、水平に広がる感染症です。黄色(おうしょく)ブドウ球菌(きゅうきん)、化膿(かのう)レンサ球菌のほか、いろいろな細菌の感染でおこります。小さな外傷が誘因となります。もっともよくできるのは下肢(かし)ですが、ほかのところにもできます。
広い範囲が赤く腫(は)れ、熱感とさまざまの程度の痛みがあります。発熱やだるさもありますが、あまり激しいものではありません。
もし、著しい倦怠感(けんたいかん)、激烈な関節痛と筋肉痛、高熱があり、病変部が赤紫色に腫(は)れ、水ぶくれなどができたときには、すぐに手術をして病変部を郭清(かくせい)(きれいになるまで掻(か)き取る)しなくてはなりません。壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)という重い病気の危険があるからです。
[治療]
安静にして、抗生物質を内服します。症状が強いときは注射にかえます。壊死性筋膜炎の疑いがあるときは、設備の整った病院に入院して治療します。