普及版 字通 「融(漢字)」の読み・字形・画数・意味
融
常用漢字 16画
[字訓] とける・やわらぐ・とおる・あきらか
[説文解字]
[字形] 会意
初形は鬲(れき)+蟲(虫)。のち略して融に作る。鬲は食器。烹炊に用い、またその物を貯蔵する器。器中のものが腐敗して、器の傍に虫があふれ出る形。ものの腐敗し融会する意。〔説文〕三下に「炊气(すいき)上出するなり」とし、〔唐写本切韻残巻〕には「气上出するなり」とあり、いずれも烹炊の状をいうとするが、腐膩(ふじ)して虫がはいまわるさまを示す字である。(ひさご)の類が熟して実が油化することを油といい、声義ともに近い字である。
[訓義]
1. とける、とろける、くさる、液体化する。
2. やわらぐ、ひろがる。
3. とおる、すきとおる、あきらか。
4. ほがらか、たのしむ。
5. ゆげがでる。
[古辞書の訓]
〔立〕融 トホル・トク・カヨフ・カヨハス・ホガラカニナラシム 〔字鏡集〕融 トク・トロム・ホガラカ・カス・トホス・カヨフ
[語系]
融jiumは鎔jiongと声義近く、ともに融解することをいう。油・由jiuは、の実が熟して、中が油状になることをいい、声義が近い。
[熟語]
融怡▶・融懿▶・融泄▶・融裔▶・融液▶・融遠▶・融化▶・融解▶・融会▶・融顕▶・融悟▶・融光▶・融合▶・融渾▶・融散▶・融釈▶・融雪▶・融然▶・融暢▶・融通▶・融盪▶・融風▶・融明▶・融冶▶・融融▶・融和▶
[下接語]
円融・金融・顕融・孔融・光融・渾融・祝融・春融・冲融・妙融・溶融
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報