袋・嚢(読み)ふくろ

精選版 日本国語大辞典 「袋・嚢」の意味・読み・例文・類語

ふくろ【袋・嚢】

〘名〙
① 布・皮・紙などで、中に物を入れて、口を閉じるようにつくったもの。
※古事記(712)上「大穴牟遅神に帒を負せ、従者と為て率て往きき」
② 特に、金をいれる巾着(きんちゃく)をいう。転じて、所持金。
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)三「嶋田の者は、〈略〉旅人のふくろをむさぼる故に、大水を喜ぶ」
③ みかんやほおずきなどの外皮の中にある果肉を包む薄い皮。
※俳諧・俳諧新選(1773)三「鬼灯(ほうずき)や袋に色のあらはるる〈嘯山〉」
④ 形が①に似た身体の器官
(イ) 胃袋、小袋(睾丸)、ゆばりぶくろ(膀胱)など。
(ロ) 子宮、または胞衣(えな)。〔観智院本名義抄(1241)〕
⑤ (④(ロ)から) 母親。おふくろ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑥ 行きどまりの場所。「袋小路
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石停留所「抜裏と間違へて袋の口へ這入り込んだ結果」
⑦ 水に囲まれた土地。また、川と川とが落ち合った所。
⑧ 紋所の名。①を図案化したもの。袋、三つ袋などがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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