袖もぎ様(読み)ソデモギサン

デジタル大辞泉 「袖もぎ様」の意味・読み・例文・類語

そでもぎ‐さん【袖もぎ様】

その前で転んだときは、着物片袖をもぎとって置いてこないと災難にあうとされる、路傍の神。中国四国地方に多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「袖もぎ様」の意味・わかりやすい解説

袖もぎ様
そでもぎさま

この名のある路傍の神の前で転ぶと、片袖を切って捧(ささ)げないと祟(たた)りがあるといわれている俗信。香川県小豆(しょうど)島の延命地蔵小祠(しょうし)の前で転ぶと、着物の袖を切って祀(まつ)らねばならないという。静岡県引佐(いなさ)郡都田(みやこだ)村(現浜松市)の八王寺坂の下にある土橋の所で転ぶと、袖か裾(すそ)を切ってから行かないと災難がかかるという。奈良県五條(ごじょう)市西吉野町西新子(にしあたらし)に袖もぎという所があり、別に小祠はないが坂になっており、そこで転ぶと片袖を取って置かねばならない。高知県土佐の一宮(いちのみや)の近くに袖掛け松というのがあって、ここで転ぶと片袖を松の木にかける風があった。

[大藤時彦]

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