袖書(読み)ソデガキ

デジタル大辞泉 「袖書」の意味・読み・例文・類語

そで‐がき【袖書(き)】

古く、書面の袖(右端)に字句を書き添えたこと。また、その字句。国司などが認否文言を記したものが多い。
手紙追伸。古くは書面の袖に書いた。おってがき。

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精選版 日本国語大辞典 「袖書」の意味・読み・例文・類語

そで‐がき【袖書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古く、文書の袖(右端)に、本文執筆者以外の者が字句を書き加えたこと。また、その字句。除目の申文に執筆の大臣が外記に調査指示を加えたり、国司・武将などが部下の提出した申請書に認否・署名を記したりするなどの場合がある。また、巻くと表になる右端の裏の部分に、外題のように記す場合にもいい、特に、除目の、特定申分のその部分に、内容・申請者などを記したものを袖書の申分という。
    1. [初出の実例]「公卿当年二合、是等文を取出て注袖書」(出典:殿暦‐長治二年(1105)正月二五日)
  3. 文書の余白に本文と同筆で書き加えること。また、その文。本来、書面の右端の余白に書き入れ、その余白がなくなると本文の行間に一段下げて小さく書き込んだ。後世では書面の終わりの方の余白に書き入れる。おってがき。
    1. [初出の実例]「この返事にそてかきして、せうそくして侍りしを見れば」(出典:広本拾玉集(1346)五・詞書)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「袖書」の解説

袖書
そでがき

文書の右端(袖)に,文書作成者以外の者が,文を書き加えたもの。文書の本文に対する返答説明許可などが書きこまれる。とくに権威をもつ者が本文の内容に対して許可や保証を与えたものを,外題(げだい)とよぶ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「袖書」の意味・わかりやすい解説

袖書
そでがき

古文書学上の用語。文書の袖 (右端) に書かれた文。差出人が書いたものを追而書 (おってがき) という。また受取人が,本文に対する認否などを記して返す場合もある。

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