被ける(読み)カズケル

デジタル大辞泉 「被ける」の意味・読み・例文・類語

かず・ける〔かづける〕【被ける】

[動カ下一][文]かづ・く[カ下二]
責任などを押しつける。人のせいにする。転嫁する。「罪を人に―・ける」
かこつける。事寄せる。口実にする。「出張に―・けて私用を足す」
頭にかぶせる。
「まどゐする身に散りかかるもみぢばは風の―・くる錦なりけり」〈伊勢集
かずけ物として与える。
御衣みぞ脱ぎて―・け給ひつ」〈竹取

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精選版 日本国語大辞典 「被ける」の意味・読み・例文・類語

かず・けるかづける【被】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]かづ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 頭にかぶらせる。上からおおう。
    1. [初出の実例]「まとゐする身に散りかかるもみぢばは風のかつくる錦なりけり」(出典:伊勢集(11C後))
  3. ( 祝儀衣装をいただくと、頭に乗せたり、肩にかけたりするところから ) 祝儀の品を与える。被物(かずけもの)を与える。
    1. [初出の実例]「御ぞぬぎてかつけ給ふつ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  4. かこつける。無理に理由づけをする。ことよせる。…のせいにする。
    1. [初出の実例]「病にかづけて寺へひきこみて参学をして居たぞ」(出典:三体詩絶句鈔(1620)二)
  5. いやがるものを押しつける。損失まやかし物などを人にしょいこませる。責任や罪などを転嫁する。
    1. [初出の実例]「暮方より人に被(カツ)ける㒵なればとて」(出典浮世草子好色一代女(1686)五)
    2. 「何人(だれ)にもかづける事が出来ない」(出典:いたづら小僧日記(1909)〈佐々木邦訳〉)

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