デジタル大辞泉
「裏を返す」の意味・読み・例文・類語
裏を返・す
1 遊里で、初めて買った遊女を二度目に来てまた買い、遊興する。また転じて、同じことをもう一度する意にもいう。
2 (「裏を返せば」の形で)逆の見方をすれば。本当のことを言えば。「彼の考えは、―・せば営利主義そのものだ」
[類語]すなわち・つまり・言い換えれば・要するに・裏を返せば・早い話が
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
うら【裏】 を 返(かえ)す
① 遊里で初めてあげた遊女を二度目に呼ぶ。裏壁かえす。
※
随筆・麓の色(1768)三「裏をかへすは壁を塗より出たる
俗諺なるべし」
※
落語・居残り佐平次(1919)〈初代柳家小せん〉「遊びをして再会
(ウラ)を返さないのはお客の恥」
② 同じ事を重ねてする。
※歌舞伎・水天宮利生深川(筆売幸兵衛)(1885)
序幕「監獄所の裏を返しゃあ済むのだから」
③ 壁の上塗りをする。壁の表側を塗った後に裏側を塗り、木舞
(こまい)からはみ出した
壁土を裏側から塗り返す。裏壁かえす。
※俳諧・藤の実(1694)春「新壁や裏もかへさぬ軒の梅〈素牛〉」
④ 打った釘の先を打ち曲げる。裏釘返す。
⑤
物事に対してふつうとは逆の言い方や見方をする。
※善良な
罪人(1951)〈
山本健吉〉「『聖ヤクザ』とは、裏をかえせばみみっちい罪人ということである」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報