襦袢・繻絆(読み)ジュバン

精選版 日本国語大辞典 「襦袢・繻絆」の意味・読み・例文・類語

ジュバン【襦袢・繻絆】

〘名〙 (jubão, gibão)
① 外側に着る胴衣チョッキ)の一種。
※伊達日記(1600頃か)下「政宗家中出立はのぼり三十本。紺地に金の丸。のほり指の衣裳具足。下にむりゃうのじゅばん。具足は黒糸。前後に金の星」
和服のはだ着。ジバン。
※浮世草子・武道伝来記(1687)七「この寒きに襦袢(ジュバン)一枚になりて」
[語誌](1)日本に入ってきた室町時代にはポルトガル語 jubão と gibão が並行して用いられていた。古くは「じゅばん」と仮名表記されている。「ジバン」は江戸中期の一七〇〇年頃になってから見られるようになる。したがって、ジバンはジュバンの転訛したものであろう。
(2)チョッキを意味した「ジュバン」は明和・安永・天明頃になると、肌着を意味するようになる。このような意味の転化に伴って、肌着を意味する「襦」を用いた「襦袢」「襦衫」などの表記が行なわれるようになったと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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