西川光二郎(にしかわみつじろう)(読み)にしかわみつじろう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

西川光二郎(にしかわみつじろう)
にしかわみつじろう
(1876―1940)

明治時代の社会主義者。兵庫県淡路津名郡佐野村(現淡路(あわじ)市)に生まれる。札幌農学校、東京専門学校(早稲田(わせだ)大学の前身)に学んだ。東京専門学校在学中から片山潜(せん)に協力して労働組合期成会の機関誌『労働世界』の編集に携わり、1901年(明治34)には社会民主党の創立者の一人として名を連ね、その後、平民社日本社会党の活動家として社会主義の宣伝に努めた。07年に社会主義が幸徳派と片山派に分裂すると後者に属したが、翌年には片山と別れ『東京社会新聞』を創刊した。大逆事件による検挙が始まると、実践的活動家西川は、もはや運動の余地がないと判断して「社会主義者の詫証文(わびじょうもん)」と評された『心懐語』を書いて転向し、その後特異な修養活動を行った。昭和15年10月22日没。

岡本 宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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