西村市郎右衛門(読み)にしむらいちろうえもん

改訂新版 世界大百科事典 「西村市郎右衛門」の意味・わかりやすい解説

西村市郎右衛門 (にしむらいちろうえもん)
生没年:?-1696?(元禄9?)

江戸前期の京都の本屋俳人浮世草子作者。名は久重。俳号未達,嘯松子(しようしようし)。《新御伽婢子(しんおとぎぼうこ)》(1683),《宗祇諸国物語》(1685),《好色三代男》(1686)などの浮世草子を執筆,一時期西鶴と対抗し,文学史上〈西村本〉と呼ばれるが,西鶴には遠く及ばない。俳人としては凡常の存在であるが,蕉門俳書時流に先がけて多く出版。後年は時流に乗り好色本を多く刊行。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西村市郎右衛門」の解説

西村市郎右衛門 にしむら-いちろうえもん

?-1696 江戸時代前期の版元,浮世草子作者。
京都で開業。西村本とよばれる浮世草子のほか,俳書,仮名草子,医書などを多数刊行。俳諧(はいかい)をよくした。元禄(げんろく)9年9月3日死去。名は久重。号は未達,嘯松子など。作品に「好色三代男」「浅草拾遺物語」,編著に「俳諧関相撲」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android