西洋記(読み)せいようき(英語表記)Xi-yang-ji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西洋記」の意味・わかりやすい解説

西洋記
せいようき
Xi-yang-ji

中国,明末の口語章回小説。羅懋登 (らぼうとう) の作。 100回。万暦 25 (1597) 年頃成立。正しくは『三宝太監西洋記』。明初の史実である内官太監鄭和 (ていわ) の海外遠征を小説化したもので,遠征の随行者たちの紀行瀛涯勝覧 (えいがいしょうらん) 』『星槎勝覧』『西洋番国志』などを参考にしている。戦闘場面などは『西遊記』にヒントを得たもので,文章もあまりうまくないが,当時の海外の風土人情や,この書でしかみられない当時の伝説を多く含んでいる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android