見初(読み)みそめる

精選版 日本国語大辞典 「見初」の意味・読み・例文・類語

み‐そ・める【見初】

〘他マ下一〙 みそ・む 〘他マ下二〙
① 初めて見る。初めて会う。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「かくゆゆしきさまをみそめ給つらむ人の」
② 見はじめる。会いはじめる。また、会いはじめて心に思う。
万葉(8C後)四・七五〇「思ひ絶えわびにしものをなかなかに何か苦しく相見始(みそめ)けむ」
③ (「見る」は、男女のあう意) はじめて男女の契りを結ぶ。また、はじめて会って、心に深く思う。
落窪(10C後)四「みそめ奉りてし後なん、なほざりにてやみなましかばと」
異性一目見て恋心をいだく。
狂歌・道増誹諧百首(1558‐69頃か)「見そめつるけさより物のくはれぬは人は我をやこひといふらん」

みえ‐そ・む【見初】

〘自マ下二〙
① 見えはじめる。見えだす。
玉葉(1312)夏・四一三「風はやみ雲の一むら峯こえて山みえそむる夕立の跡〈伏見院〉」
夫婦として逢い始める。また、初めて夫として逢う。
※とりかへばや(12C後)中「いかにも女はみえそめぬる人にわすらるるをときくばかり、いみじき事なし」
③ 心にかけはじめる。恋い慕いはじめる。
義経記(室町中か)七「唐崎明神にみえそめられ参らせ給ひて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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