見寺(読み)そうけんじ

日本歴史地名大系 「見寺」の解説

見寺
そうけんじ

[現在地名]安土町下豊浦

安土あづち山山中にある。遠景山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊は十一面観音。

近江若狭・越前寺院神社大事典〉

〔神体織田信長〕

天正年中(一五七三―九二)織田信長による創建開山信長の大伯父織田信安の三男正仲剛可とされる。草創期には仏殿書院庫裏楼門・三重塔・熱田社などの堂舎があったらしい(「安土山見禅寺旧記」寺蔵など)ルイス・フロイスは信長について「つねに神と仏の礼拝を意としなかったのみならず、それらを嘲弄したり、焼却することを命ずるほど」であったが、やがて「自らに優る宇宙の主なる造物主は存在しないと述べ、(中略)彼自身が地上で礼拝されることを望」み、また「あたかも神的生命を有し、不滅の主であるかのように万人から礼拝されることを希望」して当寺を建立したと、その著「日本史」に記し、さらに信長は自らを「神体」と称していたが、「彼への礼拝が他の偶像へのそれに劣ることがないように」盆山と称する一個の石を、当寺の一番高所(すべての仏の上)につくった仏龕に安置し、すべての領国民が自らの誕生日に当寺および前述神体を礼拝するために、安土に参詣することを命じたと記述している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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