ロドプシンともいう.脊椎動物の桿(かん)体外節に含まれ,薄明視または桿体視に関与している色素タンパク質をいう.レチノール(ビタミンA)の誘導体であるレチナールと,無色のタンパク質オプシンとが結合したもので,分子量は3×104 前後.全アミノ酸残基の約半分が疎水性アミノ酸残基で占められているため,水に不溶で,膜7回貫通型構造を有し,通常,ジギトニンやサポニンなどを用いて,視細胞の膜から抽出する.生体中で,視紅は光照射によりall-trans-レチナールとオプシンに分解され,レチナールはさらに,アルコール脱水素酵素とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)により,ビタミンAに還元される.暗黒中で,視紅は11-cis-レチナールとオプシンより再合成される.α,β,γの三つの吸収帯を有し,α帯(500 nm 付近)は,その動物の薄明視の分光感度に一致する.淡水魚およびある種の両生類では,視紅のかわりに紫色の色素であるポルフィロプシンが含まれているが,タンパク質は同じオプシンであるという.[CAS 9009-81-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
「ロドプシン」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…視紅visual purpleともいう。網膜の杆状体(かんじようたい)の外節に含まれる紫紅色の色素タンパク質で,光の受容体として機能する。…
※「視紅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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