角膜軟化(読み)かくまくなんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「角膜軟化」の意味・わかりやすい解説

角膜軟化
かくまくなんか

ビタミンAの欠乏でおこる角膜疾患。通常、生後1年以内の不完全な人工栄養児をはじめ、麻疹(ましん)、肺炎消化不良などに合併、または続発しておこる。成人は通常罹患(りかん)しない。かつては失明原因の一つであったが、現在は乳児の栄養管理が行き届いているので、開発途上国を除いてはほとんどみられない。症状は、結膜・角膜が乾燥して光沢がなくなり、ひどくなると角膜中央に潰瘍(かいよう)をおこし、穿孔(せんこう)して失明することもある。治療は全身状態の改善を図り、抗生物質の点眼薬とビタミンAの投与を行う。

[中島 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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