言ふ甲斐無し(読み)イウカイナシ

デジタル大辞泉 「言ふ甲斐無し」の意味・読み・例文・類語

いうかい‐な・し〔いふかひ‐〕【言ふ×斐無し】

[形ク]
言ってもその効果がない。
「あやしがりいへど、使ひのなければ―・くて」〈・二七七〉
言ってみても取り返しがつかない。特に、死ぬことを遠回しにいう。
「さこそ強がり給へど、若き御心にて、―・くなりぬるを見給ふに、やるかたなくて」〈夕顔
言うだけの値打ちがない。言うに足りない。
「あかず口惜しと、―・き法師、童も、涙を落としあへり」〈若紫
見苦しい。ふがいない。→言い甲斐無し
「女、親なく頼りなくなるままに、もろともに―・くてあらむやはとて」〈伊勢・二三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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