言向(読み)ことむく

精選版 日本国語大辞典 「言向」の意味・読み・例文・類語

こと‐む・く【言向】

〘他カ下二〙 ことばで相手をこちらに従わせる。説得する。服従させる。
古事記(712)中「如此く荒ぶる神等を言向(ことむけ)平和(やは)して」
[補注](1)「古事記伝‐一三」では、「言」の字は借字であり「事」の意であるとするが、「古事記」において「言」が「事」の借字に使われた例はなく、また「事向」と表記された例もないところから、コト=言と解すべきであろう。
(2)ムクは下二段活用であるところから使役の意に解釈でき、「言葉によって向かせる」、つまり「従わせる」のが本義と考えられる。実際には挙例の「古事記」のように武力を伴った場合や威嚇して従わせた場合にも用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android