設備利用率(読み)せつびりようりつ

知恵蔵 「設備利用率」の解説

設備利用率

原子炉の稼働状況を表す代表的な指標原発が一定期間に生み出した電力量と、その期間ずっとフル稼働したとして得られる発電電力量(定格電気出力と稼働時間の積)との百分率比。計算式であらわせば、年間の設備利用率(%)=実際にその1年間で発生した発電電力量(kWh)÷〔定格電気出力(kW)×365日×24時間〕×100。1970年代半ばはステンレス製配管に生じた応力腐食割れ、蒸気発生器伝熱管の損傷などが相次ぎ、設備利用率は40〜50%にとどまった。その対応策として軽水炉改良標準化計画による技術向上を図り、機器の点検、検査体制を充実させた。設備利用率は83年度に70%を超え、95〜2001年度は80%を超える運転状況だった。しかし、03年度の設備利用率は大幅に低下して59.7%となった。原発検査データの不正が発覚し、点検が強化されたのが原因だ。05年度の原発による発電電力量は、火力水力を含む総発電電力量の31.0%を占める。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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