訳経(読み)やくきょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「訳経」の意味・わかりやすい解説

訳経
やくきょう

仏教用語。翻経ともいう。サンスクリット語パーリ語,または西域の言語などによって伝えられていた仏典を中国語に訳すこと。経典は,仏教の歴史のなかでは種々の国の言語に訳されているが,普通訳経というときは中国語への翻訳を意味している。後漢時代に始り,安世高鳩摩羅什などの西域人や,玄奘などの中国人によって訳された。多くは国家的事業として訳経院が設置され,訳主のほかに大勢の人々の協力によりなされた。現在『大正新脩大蔵経』に収録されている中国語の翻訳仏典は 1714部,6180巻に上る。1回訳の単訳と,2回以上訳された重訳または同本異訳があるが,語系が異なるために翻訳がむずかしく,翻訳不可能の用語もあり,使用した原本相違訳者解釈の違いによって,同一の内容のものはほとんどない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「訳経」の読み・字形・画数・意味

【訳経】やくけい

仏典を翻訳する。

字通「訳」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android