普及版 字通 「訴(漢字)」の読み・字形・画数・意味
14画
(異体字)訴
12画
[字訓] うったえる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(朔)(さく)。訴と同義の字で、〔説文〕三上に訴の別体の字としているが、訴は告訴・訴訟など訟獄の意に用い、は情を以て告げる意に用いる。〔詩、風、柏舟〕「(しばら)く言(ここ)にき(うつた)へて 彼の怒りにへり」とみえる。〔易、履、九四〕に「虎の尾を履(ふ)む。(さくさく)たらば(つひ)に吉なり」とは、恐懼のさまをいう。
[訓義]
1. うったえる、つげる、わるくいう、つげぐちする。
2. なげく、かなしむ、うれえる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ウタフ・ウタヘ・ウレフ・ムカフ・ホム・ノブ 〔字鏡〕 ウレソフ・シコツ・ウタフ・ウレフ・モノロロ(ホル)
[熟語]
▶・怒▶・風▶・苦▶・告▶・訟▶
[下接語]
往・譖・赴
訴
常用漢字 12画
(異体字)
14画
[字訓] うったえる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は斥(そ)。斥の初文は(さく)。ゆえに字はまたに作る。〔説文〕三上に「ぐるなり」とあり、上訴することをいう。告訴するので譖毀(しんき)の意を含む。〔論語、顔淵〕「膚受(ふじゆ)の(うつた)へ」とは、かけこみ式の哀訴をいう。ただ訴訟のときには、ではなく訴を用いる。
[訓義]
1. うったえる、さばきをもとめる。
2. つげる、そしる、不平をいう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕訴 ウタヘ・タノシブ・タノシム・ネガフ・ヨロコブ/ ウタフ・ウタヘ・ウレフ・ムカフ・ホム・ノブ
[語系]
訴・泝sykは同声。流れに逆らって上るを泝といい、人意に逆らって告訴することを訴という。
[熟語]
訴▶・訴怨▶・訴毀▶・訴告▶・訴詞▶・訴状▶・訴牒▶
[下接語]
哀訴・怨訴・訴・応訴・往訴・起訴・泣訴・公訴・控訴・号訴・強訴・嗷訴・告訴・獄訴・讒訴・自訴・愁訴・訟訴・勝訴・上訴・譖訴・請訴・嘆訴・牒訴・追訴・通訴・提訴・敗訴・反訴・赴訴・密訴・免訴・面訴
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報