証得(読み)ショウトク

デジタル大辞泉 「証得」の意味・読み・例文・類語

しょう‐とく【証得】

[名](スル)
真理などを悟ること。体得すること。
「此便法を―し得ざる時」〈漱石野分
悟ってもいないのに、悟ったとうぬぼれること。
「―してわれは気色きそくしたる歌よみ給ふな」〈無名抄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「証得」の意味・読み・例文・類語

しょう‐とく【証得】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 証悟・体得するの意 ) 仏語修行によって真理をさとり、その果位智慧功徳等を身に受けること。また、単にさとること。証入
    1. [初出の実例]「遂使命終之後、往生花蔵世界、面奉盧舎那仏、必欲証得遍法界位」(出典:正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳)
    2. 「物の本体を証得(ショウトク)しないものには」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉三)
    3. [その他の文献]〔宝授菩薩菩提行経〕
  3. 理解してもいないのに、理解しているように思いこむこと。
    1. [初出の実例]「我人にゆるさるるほどに成りたりとも証得して我は気色したる哥よみ給ふな」(出典:無名抄(1211頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android