普及版 字通 「話(漢字)」の読み・字形・画数・意味
話
常用漢字 13画
(異体字)
20画
[字訓] はなす・はなし
[説文解字]
[字形] 形声
声符は舌(かつ)。舌の初形は(かつ)。は氏(厥(けつ)の初形)と口とに従う。口は(さい)、祝や盟誓を収める器の形。それにものを削る厥(けつ)を加えるのは、その器中の祝や盟誓を傷つけて、効力を失わせる行為である。そのような目的でことさらにいうことを話という。〔説文〕三上に「會合して善言するなり」(段注本)とするが、〔一切経音義、七〕に「訛言(くわげん)なり」とあって、人を(そし)り呪詛するような言をいう。善悪の二義を含む語であるらしく、〔詩、大雅、抑(よく)〕「其れ維(こ)れ哲人は 之れに話言をぐれば 順を之れ行ひ 其れ維れ愚人は (かへ)つて我を僭(しん)すと謂ふ 民各心り」とみえる。字形を以ていえば、人を譖する語であったのであろう。〔説文〕に、籀文としてを録している。
[訓義]
1. はなす、ほめる、そしる。
2. はなし、ものがたり、作りばなし、なまりことば。
3. はじる。
4. ことわる、おさめる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕話 モノガタリ・アヤマツ・サキラ・コトワル・ウツ・カタラフ・ハヂ・ウレフ・マコト 〔立〕話 モノガタリ・ウツタヘ・ウレフ・コトバ・コトワル・アラソフ・カタル・タメラフ
[語系]
話huatはhiuat、缺(欠)khiuatと声義の関係があり、話とは本来は人を刺する語をいうものであろう。また話と(けつ)の声義の関係は、僞(偽)ngiuaiと譌nguaiとの関係に似ている。譌とは訛言をいう。
[熟語]
話言▶・話旧▶・話私▶・話次▶・話説▶・話談▶・話頭▶・話柄▶・話別▶・話本▶
[下接語]
逸話・佳話・嘉話・会話・官話・款話・閑話・旧話・謹話・偶話・寓話・訓話・高話・講話・懇話・茶話・雑話・詩話・出話・小話・笑話・情話・神話・世話・清話・夕話・説話・叢話・俗話・対話・談話・痴話・通話・電話・童話・独話・白話・文話・平話・法話・民話・面話・夜話・野話・幽話・良話・例話
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報