出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
長野県中部,諏訪地方の中心都市。1941年市制。人口5万1200(2010)。諏訪湖の南東岸に接し,中央部には上川,宮川沿いの沖積平野が開け,北部は霧ヶ峰高原,南部は赤石山脈北端の山地である。江戸時代は高島藩諏訪氏の城下町として,また甲州道中の宿場町,温泉町として発達した(上諏訪)。明治以降,諏訪地方の行政の中心地となり,1872年には長野県で最初の洋式機械を備えた製糸工場が建設されて,この地域の製糸業発展の先駆をなした。1905年中央本線が開通し,以後上諏訪駅を中心に市街が形成された。現在は製糸工業に代わって,時計など精密機械,電子機械のほか,パルプ工業,清酒・みそなどの醸造業や水産加工なども盛んである。市街地から諏訪湖畔にかけて湧出する上諏訪温泉は湯量が豊富で,約550の泉源から温泉旅館ばかりでなく,一般家庭,役所,学校,工場,駅などにまで湯が供給されている。ワカサギ釣りやスケートで知られる諏訪湖,湖畔の高島城跡,全国の諏訪信仰の中心である諏訪大社上社本宮,ハイキングやグライダーの楽しめる霧ヶ峰高原など史跡名勝に富む。中央自動車道,国道20号線が通じる。
執筆者:市川 健夫
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[沿革]
県域はかつての信濃国全域にあたる。江戸末期には松本藩,飯田藩,高遠(たかとお)藩,高島藩(諏訪藩),田野口藩(後に竜岡藩と改称),松代藩,須坂藩,飯山藩,岩村田藩,小諸藩,上田藩の諸藩が分立しており,木曾は尾張藩領で,そのほかにも天領,旗本領,寺社領などが入り組んでいた。1868年(明治1)伊那県が置かれて,尾張藩の所管となっていた旧天領,旗本領などを支配下に置き,翌年三河県を併合(1871年額田県に編入),70年には一部を割いて中野県を設けた。…
※「諏訪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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