沖縄県,沖縄島(本島)南西部の市。2002年市制。人口5万7261(2010)。起伏のなだらかな丘陵を饒波(のは)川が流れ,国道331号線が通じる。泥灰岩質の肥沃な土壌のため,サトウキビと野菜を産する純農村として発達,大正時代には沖縄から初めて本土にカボチャなどの野菜を出荷した。現在も県内有数の野菜生産地である。また,乳用牛・豚の畜産も盛ん。北隣の那覇市のベッドタウン化も進み,全国でも人口の多い村である。海岸部の与根にはかつて塩田があり,本土復帰以前は製塩が行われた。北東部の台地上に那覇市街を一望する豊見城城跡があり,その近くには沖縄戦の激しさを物語る旧海軍司令部の壕の跡がある。
執筆者:堂前 亮平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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