貧酸素水塊(読み)ヒンサンソスイカイ(英語表記)anoxic water

デジタル大辞泉 「貧酸素水塊」の意味・読み・例文・類語

ひんさんそ‐すいかい〔‐スイクワイ〕【貧酸素水塊】

溶存酸素の量がきわめて少ない水域。多く、遠浅内湾の底層で、夏に発生する。富栄養化によりプランクトンが大量発生し、その死骸を分解するバクテリア水底酸素を大量に消費することで起こる。発生すると魚介類底生生物の大量死につながり、漁業にも深刻な影響を与える。→青潮

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貧酸素水塊」の意味・わかりやすい解説

貧酸素水塊
ひんさんそすいかい
anoxic water

魚介類が生息できないほど水中の酸素濃度が少ない比較的孤立した水塊のこと。外洋では,水深 200m辺りで溶存酸素が最も少なくなるが,普通は湖や沿岸海域で問題となる。富栄養化現象が見られる水中の有機物の多い,比較的閉鎖的な水域で夏季に発生しやすい。夏に発生した貧酸素水塊は,秋になって水が上下混合するようになると消滅する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android