貸しレコード産業(読み)かしレコードさんぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貸しレコード産業」の意味・わかりやすい解説

貸しレコード産業
かしレコードさんぎょう

市販されているレコードは,著作権法の規定などによって,個人的に楽しむ以外,複製したり賃貸したりしてはならないはずであったが,一定の料金を取って賃貸する「貸しレコード屋」なるものが,1980年に東京に出現して以来,多くの若者の利用で繁盛し,類似した賃貸業者が全国的に登場した。テープにコピーされることによって,レコード自体の売り上げに響くとして,著作権所有者やレコード業界からの猛反発を受けたが,訴訟にまで発展したこの問題は,最終的に改正著作権法の施行とレコード会社と貸しレコード産業の間の協定成立によって,一応の解決を見ている。 80年代中ごろを境に CDとビデオの普及によって,貸しレコード屋は,貸し CD,貸しビデオ屋に変わっていったが,その後もこの産業は伸び続けている。

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