賀母郷(読み)かもごう

日本歴史地名大系 「賀母郷」の解説

賀母郷
かもごう

和名抄」高山寺本所載の郷。同書東急本・古活字本には郷名を欠き、名博本は「資母」とする。高山寺本に訓はないがカモであろう。天平宝字(七五七―七六五)末年頃までと推定される平城宮跡出土木簡に「但馬国養父郡賀茂郷白米五斗」がある。「校補但馬考」は「郡中加保かぼ村あり、或は賀母なるへきかと思はれぬにあらす」とし、これをうけて「日本地理志料」は「今有加保村大屋荘疑其地也」とする。しかしこの説については、養父郡三方みかた郷を大屋おおや川に沿う現大屋町宮垣みやがき夏梅なつめ、現養父町新津しんづの地とし、大屋郷を三方郷より上流の大屋川および支流明延あけのべ川の流域とした場合、五〇戸を基準とする一郷をいれる余裕がないとして否定し、養父郡軽部かるべ(大屋川下流、現養父町小城・広谷一帯)遠佐おさ(円山川支流小佐川流域、現八鹿町西部)の両郷の一部を合せて編成された郷とする説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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