資金循環勘定(読み)しきんじゅんかんかんじょう(英語表記)flow of funds accounts

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資金循環勘定」の意味・わかりやすい解説

資金循環勘定
しきんじゅんかんかんじょう
flow of funds accounts

国民経済におけるカネ (金融取引) の流れを形態別,制度部門別に明らかにしようとする勘定で,モノ (実物取引) の流れをとらえる勘定である産業連関表国民所得勘定に対するもの。 M.コープランドが作成したマネーフロー表をその原形とするが,アメリカ連邦準備制度理事会によって作成された"Flow of Funds in the United States1939~53"において,単なる通貨の流れだけにとどまらず,その他の金融資産負債の取引をもとらえるように拡大され,その名も資金循環勘定となった。新国民経済計算体系 (新 SNA) において資金循環勘定に相当するものは資本調達勘定と呼ばれる。その上段は実物面での各制度部門別の投資およびその資金調達を,下段は上段の各制度部門の貯蓄投資差額をまかなうための金融資産取引を扱うものであり,実物取引に関するものを含めた総合的な資金の流れを表示するものとなっている。

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世界大百科事典(旧版)内の資金循環勘定の言及

【資金循環表】より

…資金循環勘定flow‐of‐funds accountsまたはマネー・フロー表ともいう。これは,(1)国民経済を企業・家計・政府・金融機関などの諸部門に分割,対外取引の相手方を海外部門として設け,(2)金融的な資金の流れを現金通貨・預金通貨・定期性預金・信託・保険・貸出し・国債・社債・株式・貿易信用などの金融資産・負債項目別に分類して,(3)経済全体における資金の流れを各部門の資金の受払いとして整合的に記録する統計である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」