日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤石裂線」の意味・わかりやすい解説
赤石裂線
あかいしれっせん
赤石山脈の西縁を南北に35キロメートルにわたって走る断層。赤石構造帯の西縁を限る断層で、赤石構造線ともよばれる。北方で中央構造線に合流する。この断層は西南日本外帯の帯状構造を約50キロメートル左横ずれに変位させている。断層の西側には三波川(さんばがわ)変成岩類が、東側には古生代~中生代の秩父(ちちぶ)帯の地層、中生代~新生代の四万十(しまんと)累層群が分布する。本断層は中生代白亜紀後期から新第三紀中新世にかけて左横ずれ断層→逆断層→正断層として活動したとされていたが、中新世中期に逆断層成分をもつ左横ずれ運動をおこしたことが明らかになった。また、横ずれデュープレックスを形成していることも知られている。
[村田明広]