越前堰(読み)えちぜんせき

日本歴史地名大系 「越前堰」の解説

越前堰
えちぜんせき

雫石しずくいし町より滝沢たきざわ村・盛岡市にわたり、雫石川左岸を潤す中世期以来の灌漑用水。雫石川支流の黒沢くろさわ川と仁佐瀬にさせ川から分水し、旧雫石通を灌漑する尾入おいれ(西堰)と、旧栗谷川くりやがわ通を流れるひがし(根堰・上堰)に分れる。尾入堰の開削は天正三年(一五七五)に始まり、当初は軍事目的のためであったといわれる。越前堰の名称は開削者綾織越前広信の名にちなむ。越前は綾織あやおり(現遠野市)を領していたが、斯波氏に招かれ滴石しずくいし(現雫石町)新城を築き、その用水として岩手山麓から引水し、水路を開削した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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