日本大百科全書(ニッポニカ) 「越野栄松」の意味・わかりやすい解説
越野栄松
こしのえいしょう
(1887―1965)
山田流箏曲(そうきょく)の演奏家。本名越野三次郎。横浜に生まれ、箏の望田栄喜に入門後、1902年(明治35)4世山木千賀(せんが)の内弟子となる。三絃(さんげん)は初世丸田島能、初世高橋栄清(えいせい)に師事。17年(大正6)高橋栄清、初世萩岡松韻(はぎおかしょういん)と箏曲楽成会を設立。24年山田流箏曲協会理事に就任。26年、中能島(なかのしま)松仙、田藤清風らと『山田流箏歌(ことうた)八葉集』を編集。山木派の代表者のみならず、山田流全体の代表的存在となり、56年(昭和31)重要無形文化財保持者に認定される。なお、2世栄松を初世の没後、妹の小野寺玉枝(1892―1974)が名のった。
[平山けい子]