デジタル大辞泉
「足掛」の意味・読み・例文・類語
あし‐かけ【足掛(け)】
1 足を掛けること。また、足を掛けるもの。
2 年・月・日を数える場合、1年・1月・1日に満たない前後の端数をそれぞれ1として数える数え方。例えば、ある年の12月から翌々年の1月までなら「足掛け三年」と数える。→丸 →満
3 《「あしがけ」とも》柔道などで、相手の足に自分の足を掛けて倒す技。
4 「足掛け上がり」の略。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
あし‐かけ【足掛】
〘名〙
① 足を踏みかけること。また、そのためのもの。
※鉱山至宝要録(1691)上「鋪の内ふさがぬ様に、足掛(アシカケ)をするを打替と云」
② (「あしがけ」とも) ある場所に足を踏み入れること。
※花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中「東京へ逃げ帰って二度と地方へ足掛
(アシガ)けをせぬ様になるに
相違ない」
※
雑俳・削かけ(1713)「かかへて行・いやおてかけのあしかけの」
④ 次の発展のためのいとぐちにすること。また、そのいとぐちとなる
事柄。足がかり。あしば。
※落語・ちきり伊勢屋(1893‐94)〈禽語楼小さん〉「其女は
和郎(おまい)の家を足掛けに為
(し)て外の好い人の処へ逃げて仕舞ふて」
⑥ (多く年月などを表わす数詞の上につけて用いる) 年、月、日などで期間を表わすのに、始めと終わりの年(月、日)をそれぞれ一年(月、日)で数える数え方。
※雑俳・誕生日(1705)「
二歩だせばあしかけ一日二夜也」
あし‐がかり【足掛】
〘名〙
※両足院本毛詩抄(1539)一六「京は大なをかぢや程に足かかりのよい処に居て」
② 高い所にあがるとき、足をかけるささえ。足場。あししろ。あななひ。
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉五「
前足を懸け易
(か)へて足懸りを深くしやうとする」
③
物事をしようとする時の
糸口。手づる。手がかり。足かけ。
そっ‐かけ ソク‥【足掛】
〘名〙 人形浄瑠璃社会で、妾をいう。
文政・
天保(
一八一八‐四四)ごろ
上方の
流行語となった。あしかけ。てかけ。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報