足輪(読み)あしわ

精選版 日本国語大辞典 「足輪」の意味・読み・例文・類語

あし‐わ【足輪】

〘名〙 足首につける輪状装身具

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改訂新版 世界大百科事典 「足輪」の意味・わかりやすい解説

足輪 (あしわ)

足にぐるりと輪状につけられる装身具。アンクレットanklet。歴史的には古代エジプト王朝以前から装着されていた。ローマ時代にもかなり用いられたようだが,中世になって長い丈の衣を身につけ,足が見えないようになると,自然にすたれていった。現代では第1次世界大戦後に,ごく一部の女性が細い金の鎖状のものをつけているのを見る程度で,足輪はもっぱら未開社会特有の装身具になっている。たいてい踝(くるぶし)につけるが,仕事や競技に用いる脚絆のような,足の保護を目的としたものもある。元来は呪術・宗教的意味あいがあったようである。未開社会でも,首や腕には華麗な重い装身具をつけるものの,足には関心を示さないことが多い。つけるにしても,一重の輪のシンチュウ製の簡単なものが多い。特徴的な事例としては,ニュージーランドマオリ族は犬の歯を多数ぶらさげたものを脚絆のようにつけ,またニジェール(西アフリカ)の遊牧民ボロロ族の女性は,シンチュウ製で長い筒形のものを足につける。これらは足輪というよりもむしろ足飾と呼ぶべきかもしれない。
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