躙る(読み)ニジル

デジタル大辞泉 「躙る」の意味・読み・例文・類語

にじ・る【×躙る/×躪る】

[動ラ五(四)]
座ったまま、少しずつひざを使って進む。「―・って近くへ寄る」
押しつけてすり動かす。「煙草の火を―・って消す」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「躙る」の意味・読み・例文・類語

にじ・る【躙・躪】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. ひざを押しつけるようにして、じりじりと動く。すわったかっこうで少しずつ動く。
      1. [初出の実例]「座をにしりて我酒のあいてになりさうな物のまへによるぞ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一四)
    2. 少し動く。位置がずれる。
      1. [初出の実例]「先日の灸点とはすこしにじってござる」(出典:咄本・夕涼新話集(1776)一)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 押しつけてねじまわす。また、踏みつけてすりまわす。じりじりと押しつぶす。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
      1. [初出の実例]「あせぼのはだへに白粉をにしり」(出典:俳諧・類船集(1676)仁)
    2. 罪、責任などを押しつける。なすりつける。
      1. [初出の実例]「ていしゅおならをせられければ〈略〉いまのはそなたであった、いいやこなさんじゃと、にぢりあひしが」(出典:咄本・軽口若夷(1742)四)
    3. 潮干狩で、泥中のはまぐりなどを足で踏み捜して取る。
      1. [初出の実例]「住よし参(まゐり)浪にぬらすな 蛤を磯立ならしにじるとて〈重安〉」(出典:俳諧・大坂独吟集(1675)下)

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